「南蛮渡来」 七
7.「FADE OUT」
喘いだ呻き声で始まる、このレゲエ・ナンバーは、ちょうど7分のナンバーとなっています。
「息苦しくてかなわない/あいつに貰ったこの道具が
/俺の皮膚の隙間をしめつける/臭いその足」
「女は神経症の豚の下で/クソまみれて快楽に泣く/とめどもなく後ろから流れ出るのは/倒錯につかれた裸のサル」
何と現代詩的な言葉をつぶやくように投げかけながら、江戸アケミは、次第に聴く者を挑発してゆきます。そして、ギター演奏も、時折、閃光が光るかのような旋律を引きながら、江戸アケミを鼓舞しているかのように奏でられてゆきます。
そして、「FADE OUT」という言葉がリフレインされてゆくのですが、これが一筋縄では行きません。江戸アケミならではの煽情的なヴォーカルで聴く者に戦いを挑んでいるかのように歌われるのです。
そして、ホーン・セクションの登場でさらに、この曲は、渾沌とした雰囲気を醸し出しながら、終曲へと突き進みます。それにしても「倒錯につかれた裸のサル」とはなんと見事な表現か。