Archive for: 𔃵月 2014’

Nirvana – Heart Shaped Box

2014年5月31日 Posted by seki

今回は、Nirvanaの「Heart Shaped Box」をご紹介します。

リード・ボーカルのカート・コバーンの自殺などで日本でも有名なこのバンドですが、この楽曲は

ニルヴァーナの最後のアルバム「イン・ユーテロ」に収録されています。

ニルヴァーナは活動を開始した初期にサブ・ポップレコードを契約し、世界中で大ヒット。

日本でも根強いファンを獲得するほどの大人気パンクロック・バンドに成り上がっていきました。

また、この「Heart Shaped Box」は2014年発売のゲーム「inFAMOUS Second Son」のテーマソングとして使われ、

こちらはDead Saraというアーティストが同じ曲名でカバー。

ゲームはサブ・ポップレコード本社があるワシントン州シアトルを舞台にしているため、シアトルに馴染みのある

楽曲を使用することに。

ゲーム内で再現されているシアトルでは、実際にサブ・ポップレコードの建物も確認することが可能です。

Badfinger – Baby Blue

2014年5月28日 Posted by seki

今回は、Badfingerの「Baby Blue」をご紹介します。

バッドフィンガーは主に70年代に世界中で人気を博したイギリス出身のロックバンド。

このバッドフィンガーの楽曲「Baby Blue」は1972年に発表され、多くのリスナーを獲得していました。

しかし、2013年9月に突然この曲が再び大ヒット。

バッドフィンガー自体は80年代に活動を中止しており、このような形でのリバイバル・ヒットは誰も予測していなかったようです。

実は海外ドラマ「ブレイキング・バッド」の最終回で使われたことがきっかけとなり、ドラマを観ていた層が放送終了後に

一斉に楽曲を購入。

ビルボードのシングル・チャート100では見事14位にランクインし、結果的にバンドを知らない年齢層の若者もこのドラマからこのバンドを知ることになったようです。

この曲自体はディクシーという女性に対してのラブソングになっているのですが、ドラマ「ブレイキング・バッド」の

最終回では曲名の「Baby Blue」になぞった使われ方をしています。

The Orwells – Who Needs You

2014年5月25日 Posted by seki

今回は、The Orwellsの「Who Needs You」をご紹介します。

ストロークス、ハイヴスといった有名パンクバンドからの影響を色濃く受けた5人組のバンド。

2014年1月にはテレビ番組「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」でこの曲を披露し、

過激なパフォーマンスで司会者デイヴィッド・レターマンと観客を大いに盛り上げていました。

実はバンドの5人はまだ高校を卒業したばかりで、在学中もライブでパンクバンドの曲を披露するなどいろいろと問題を起こしていた様子。

自らが製作したアルバムをインターネット上の音楽ブログに売り込み、有名レーベルAutumn Toneから2012年にアルバムを

正式リリースした新進気鋭のバンドでもあります。

2014年に王道のパンクロックを披露し、時代遅れなどと揶揄されることも少なくないようですが、

嫌われ者であることが大前提であるパンクというジャンルとしては逆に成功を収めていると言えるでしょう。

Cake – Sad Songs And Waltzes

2014年5月25日 Posted by seki

今回は、Cakeの「Sad Songs And Waltzes」を紹介します。

原曲は1972年発表のウィリー・ネルソンのアルバム「Shotgun Willie」に収録されている「Sad Songs and Waltzes」。

ウィリー・ネルソンはアメリカのカントリー・ミュージシャンを代表する著名アーティストの一人として有名で、

この曲もカントリーの王道を往く、といったような曲調です。

しかし歌詞は浮気され、失恋した男が曲を書くアーティストという目線から延々と恨み節を続けるというもの。

明るめな楽曲が多いカントリーというジャンルが不釣り合いな歌詞ですが、このエッセンスはCakeのカバー・バージョンでも

受け継がれていると言えるでしょう。

1996年のCakeのアルバム「Fashion Nugget」には本ブログでも紹介してきたカバー曲が多数収録されており、

いずれもバンドの個性を上手くミックスさせた絶妙なバランスになっているものばかりです。

Cake – I Will Survive

2014年5月24日 Posted by seki

今回は、Cakeの「I Will Survive」をご紹介します。

70年代、ウーマンリヴ運動などが過熱する中発表されたこの楽曲は、女性アーティストのグロリア・ゲイナーが

男性に負けない強い女性像を歌い上げるというものでした。

しかし、このCakeのバージョンは男性リードボーカルのジョン・マクレアが歌っており、そのため歌詞も男性目線になっているのです。

歌詞の中に含まれている「Stupid」という言葉が「Fucking」に置き換えられているなど、強い言葉で絶妙に男性性を

強調していると言えます。

原曲はディスコナンバーだったため、明るめでどこか希望を感じさせるような曲調でしたが、こちらのCakeのバージョンでは

トランペットのサウンドが特徴的な悲しげなパンクロックに。

大胆にも曲が持つテーマ自体を変えてしまっているこのカバー・バージョンですが、原曲を上手くアレンジした面白い試みをしていると言えるかもしれません。

Cake – Guitar Man

2014年5月23日 Posted by seki

今回は、Cakeの「Guitar Man」をご紹介いたします。

原曲は1972年に発表されたBreadの「Guitar Man」。心地いい曲調のカントリー・ロックとして幅広く受け入れられ、

大ヒットを記録しました。

Cakeは2004年に発表されたアルバム「Pressure Chief」にカバー・バージョンを収録しており、アルバム全体に使用されている

チープな電子音も使用されています。

しかしながら基本的には原曲に忠実なカバーでリードシンガー、ジョン・マクレアの歌い方もBreadのデヴィッド・ゲイツに

似せている印象を受けます。

自らの曲を披露するために各地を渡り歩く、ギターを持つ男について歌っているこの曲。

Breadのこの曲とCakeが発表してきた曲には、心地いいサウンドとどこか捻くれた目線が特徴的であるという共通点が挙げられます。

著名アーティストのカバー曲ではあるものの、そういった意味ではCakeの持っている楽曲性を象徴している一曲と言えるかもしれません。

Cake – Perhaps, Perhaps, Perhaps

2014年5月20日 Posted by seki

今回は、Cakeの「Perhaps, Perhaps, Perhaps」をご紹介いたします。

キューバのオスバルド・ファレスが1947年に「Quizas, quizas, quizas」として発表したのがオリジナルで、

ロス・パンチョスというラテン音楽グループがカバーを発表し多くの人に親しまれるきっかけに。

その後ドリス・デイやナット・キング・コールといった著名アーティスト達が英語でのカバーを発表し、

英語圏でも幅広く知られる曲となりました。

「Quizas, quizas, quizas」と「Perhaps, Perhaps, Perhaps」は日本語に訳すといずれも「たぶん、たぶん、たぶん」

という意味になり、

1996年にリリースされたこのCakeのバージョンはそれまでのアーティスト達の明るめの曲調とは違い、どこか物悲しげな雰囲気が漂っています。

「ハッキリと伝えてくれない」というのがこの曲の持つテーマではありますが、男女の関係をテーマにすることも多い

Cakeだからこそのカバーといえるかもしれません。

M_O_O_N – Crystals

2014年5月17日 Posted by seki

今回は、M_O_O_Nの「Crystals」という曲をご紹介します。

こちらの曲は、ゲーム「Hotline Miami」のサウンドトラックに収録されている一曲です。

ステージクリア制を採用している「Hotline Miami」では、ステージごとにバラエティ豊かな地形と武器を利用しながら、

ギャングを惨殺していくというシステムになっています。

この「Crystals」は、そのステージ中の通常時に使用されることが多いタイトルであり、

一般的なRPGなどのゲームに即していえば、これが「Hotline Miami」の「通常戦闘曲」ということになるでしょう。

クラブ・ミュージック的というには少しダークな雰囲気が勝っていますが、

規則的な構成となっていることが多いエレクトロニカジャンルは、

大局で見れば単調な作業といえる「Hotline Miami」と深い調和が取れているといえるでしょう。

そして、どちらもただ単調だけではなく、「Crystals=水晶」のようにその構造の中で音やストーリーを反射させているのです。

Coconuts – Silver Lights

2014年5月17日 Posted by seki

今回は、Coconutsの「Silver Lights」という曲をご紹介します。

こちらの曲は、ゲーム「Hotline Miami」に収録された一曲です。

ゲーム中では、主に物語部分で使われることが多く、

主人公が「ある人物たち」と邂逅する場面にて、この曲は流れます。

ある意味で「Hotline Miami」の中でも特に印象深い曲だといえるでしょう。

心音を刻むようなベース音と、ひたすらに間延びして聞こえるノイズに重なり、

夢の中に居るような不明瞭なヴォーカルが続きます。

低音が聞く者の耳に深く残るのと同時に、「Hotline Miami」の物語もまた深くしみこんでいくのです。

音楽を効果的に使った「Hotline Miami」ですが、このタイトルも紛れもなくその一部であるといえます。

こちらはゲームミュージックともクラブ・ミュージックともつかない、

どちらかといえば映画のサウンドトラックに近いものがあるかもしれません。

Scattle – It’s Safe Now

2014年5月14日 Posted by seki

今回は、Scattleの「It’s Safe Now」という曲を紹介します。

こちらの曲は、ゲーム「Hotline Miami」のサウンドトラックに収録されている一曲です。

Scattleはこのほかにも四曲を手がけており、「Hotline Miami」においての大きな存在感を持つアーティストであるといえるでしょう。

この曲は、「Hotline Miami」のほかのタイトルに比べると、陰鬱な雰囲気が薄れ、ポジティブな印象すらも受けるかと思います。

それもそのはず、この曲は、「Hotline Miami」のもう一つの側面を暗示している曲だからです。

この曲が流れているとき、プレイヤーはまさに「Hotline Miami」がもたらした驚きの真っ只中におり、

目の前で起こっていることの理解が追いつかないままに、この曲を耳にすることでしょう。

クラブ・ミュージック的な色合いが強いほかの曲に比べて、純ゲームミュージック的ともいえる耳にのこりながらもシナリオの理解を妨げないサウンドが、

プレイヤーにこれからはじまる「もう一つのHotline Miami」を予感させます。

この音楽によって作品の二面性を効果的に表現するというやり方は、次回作においても大いに期待されるところです。