佐村河内守 交響曲第一番「HIROSHIMA」二

2013年6月28日 Posted by seki

この交響曲第一番「HIROSHIMA」は、全体が75分ほどを要する大作となっています。全体は3楽章でできていて、楽章間には主題や動機の共有が聴けるので、全体が一貫性を持った壮大な交響曲になっています。

しかし、この無調の楽曲が主流の現代音楽の中で、佐村河内守は、この格調高い交響曲を書かなければならなかったのでしょうか。それは、思うに、彼が被爆二世として生まれた出自に関係した佐村河内守の心の奥底で、いつも鳴り響いていた主題が、どうしても絶えず轟音が鳴り響いていると言う佐村河内守の作曲するのさえ困難な状態にある中で、全体に美しい主題が鳴り響くことで、やつと精を繋いだ結果に生まれた作品が此の交響曲第一番「HIROSHIMA」だったのではないかと思えます。

佐村河内守は、第一楽章を「運命」、第二楽章を「絶望」、第三楽章を「希望」と語っています。確かに、この交響曲第一番を聴くと、音楽に関しての知識がなくても佐村河内守が述べている「運命」「絶望」「希望」が音に憑依したかのような圧倒的な迫力で迫って来て、それは、聴く者の魂を掴んで離しません。

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