「Traveling Riverside Blues」
「If your man get personal want you to have your fun」とボトルネック奏法が冴えるギター演奏で歌われるこの歌は、こちらもブルースの巨人、サンハウスへとつながる系譜のデルタ・ブルースの代表曲と言ってもいい一曲です。
「Honeymoon Blues」
「Betty Mae,Betty Mae you shall be my wife someday」と歌い出されるこの一曲は、気持ちよさそうに歌うロバート・ジョンソンの歌声が何とも言えない味わいを醸し出していて、おもしろいコード進行を見せます。惚れた女性に結婚を申し出る男の率直な言い回しをブルースにして歌って見せた秀曲です。
「Love In Vain」
「And I followed her to the station」と気怠く歌うロバート・ジョンソンの哀愁のようなものが歌声に漂い、何度となくリフレインされる「All my love’s in vain」というフレーズにロバート・ジョンソンの人生が見えるような一曲です。この曲にはテイク2もあり、どちらも哀愁に満ちた作品です。
「Milkcows Calf Blues」
「Tell me,milk cow what on Earth is wrong with you ?」とボトルネック奏法が冴え渡るギターに載せて力強くも楽しそうに歌われるロバート・ジョンソンの歌声は、何か聞くものを煙に巻いているかのようにも聞こえ、しかし、ロバート・ジョンソンの歌声に備わっている哀愁のようなものはどうしても露わになる一曲です。テイク2もあり、この「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」の最後を飾るのに名残惜しい一曲となっています。
以上、ロバート・ジョンソンの全レコーディング録音の二枚組アルバム「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」を聴いてきましたが、ロバート・ジョンソンの曲は、深夜独りで酒でも飲みながらじっくりと聴くと、どうしようもなく、心に染み入る名曲ぞろいです。デルタ・ブルースに興味がある方は、是非、ロバート・ジョンソンの作品を聴いてみてください。しかし、派手なロック好きにはまったくつまらない作品かもしれませんので、その点はご了承ください。
次回からJAGATRAを取り上げます。