「南蛮渡来」 二
2.「季節の終わり」
これは、パンキッシュなナンバーです。この「季節の終わり」は「詩人」江戸アケミの片鱗が垣間見られる詞を暴力的に投げかけます。
「何かが違う/ひとめくファッション・インテリ/快楽の象徴」との呟きではじまるこの「季節の終わり」は、JAGATRAの初期の魅力が凝縮したような一曲です。
そして、「BOY からみつく/歪んだ指の向こうに/繰り返す裏の裏が/季節の終わりは 機械仕掛けの/機械仕掛けの/ファシスト、ファシスト、ファシスト」とアグレッシブに江戸アケミが歌います。
ここに、鬱屈とした青春の未熟ながらも、世界に対して敢然と立ち向かうべく、その思いを強く感じる歌世界は、江戸アケミがその後抱え込む苦悩の予兆といった様相を呈したナンバーです。
この曲にニューウェーブの影響を読み取る人もいますが、これは、後にJAGATRAとして活動する暗黒大陸じゃがたらの初期のパンク色と何とも言えない哀しみが前面に出た名曲になるのではないでしょうか。