「南蛮渡来」 四
4.「タンゴ」
「ワン、ツー、スリー、フォー」と江戸アケミの掛け声で始まるこの「タンゴ」はJAGATRAを代表する一曲で、名曲との呼び声が高いナンバーなのです。
レゲエのリズムに哀しく乗るように江戸アケミのヴォーカルが哀しく響くナンバーで、「ひとつ、ふたつ、/みつつ数える前に あんたは/ひとつ、ふたつ、/みっつ数える前に 天国へ」という何とも意味深長な歌詞が何とも物悲しい雰囲気を醸し出します。
それがレゲエのリズムな事が更にこの曲を悲哀に満ちたナンバーに仕立て上げます。前曲の「BABY」のパンキッシュで煽情的なナンバーとの対比はバッグで、この「タンゴ」がこのアルバム「南蛮渡来」に収録されたことは奇跡のようです。全く以ってこの「タンゴ」はこの「南蛮渡来」、いや、JAHGATRAの数あるナンバーの中でも白眉な一曲です。
余り物事を語らずに、これだけ《存在》の悲哀が出せる江戸アケミの素質は抜群と言えます。
JAGATRAでは、パンクのように激しい曲があると思えば、なんだか哲学的な詞の内容を持ったナンバーが混然一体となって聴く者の魂に直接訴えかけます。