暗黒大陸じゃがたら 九

2013年9月5日 Posted by seki

「南蛮渡来」 八

8.「クニナマシェ」

女性コーラスが「人類ミナ兄弟」とずっと繰り返す中、パンクにしては気怠さがあるリフのギターに乗せて、江戸アケミのヴォーカルが遠いところから沸き起こるようにして「AH AH AH」と叫び、始まります。

そして、「ヤラセロセロ(セロ)」と番棱のメンバーが全員で歌いながら、江戸アケミが加わります。

そして、静かに唱えるように「また来る者たちのお祭りだ/また来る者たちのお祭りだ/死に行く者は海になだれ込む/また来る者たちのお祭りだ」と江戸アケミが抑えて歌ったかと思いきや、「ヤラセロセロ ヤラセロ」と罵倒するかのように叫び出します。

そして、女性コーラスが「ぼくたちは光の中でチャチャチャ」とリフレインするのですが、これはどこか呪詛的な感じがする、または、宗教的な恍惚感が漂う不思議な音楽世界が突然開けます。

そして、江戸アケミが「雨よ降れ、地よ踊れ/死に行く者の革命だ/風よ吹け、足を鳴らせ/ゴキブリ共のお通りだ」と煽情的に歌い上げます。

そして、渾沌とした雰囲気に音に変化を与えて、最後まで突き進んでゆきます。

「よく見ろ、あいつの目を/あいつの手を[……]」

「火をつけろ/あいつの家に」

この「クニナマシェ」は、JAGATRAの後期の楽曲に通じる作品に位置付けられと思います。恍惚感の中に祈りを見るような例えば、バリ島の伝統音楽「ケチャ」に通じるものがあります。

とにかく大作です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です