じゃがたら 二

2013年9月10日 Posted by seki

2.「ウォークマンのテーマ」

「HEY Mr. ウォークマン、そんなに急いで/どこ行くの/いかした顔を見せてよ/HEY Mr. ウォークマン、あんたが好きさ/何するの」と始まる、この「ウォークマンのテーマ」は、じゃがたらにしてならば、まともなロックナンバーになっています。何処となく哀しさが響くコード進行の16ビートを刻むギターリフに物憂げにに謳われる江戸アケミの歌声は、当時、新しい音楽を視聴するディバイスとして発売され、大人気となった「ウォークマン」と「歩く男」をかけていると思われる「Mr. ウォークマン」という掛詞に妙味が宿っていています。

このあたりは、江戸アケミの詩的センスが優れている事を表わしています。

途中、パンク帳に偏重しては、びしっと曲を引き締めた後に再び、「HEY Mr. ウォークマン」と歌い、そして、終わりに向かって突き進みます。

このナンバーは、終わりに行くに従ってカオス的な音づくりとなって、江戸アケミの耳に残るヴォーカルともシャウトともつかない、心に沁み通る哀しいくもハイテンションな歌声が、終曲へ向かって驀進します。

そして、ぶつっと曲は途切れ、また、ほんのちょっと曲が流れ、まだ、ぶつっと曲は終わります。

このあら衣手洗い手触り感はじゃがたらならではの味わいです。

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