Category: ‘音楽’

暗黒大陸じゃがたら 一

2013年8月12日 Posted by seki

暗黒大陸じゃがたらは後の「JAGATARA」の前身バンドです。じゃがたらがその産声を上げたのは1979年、3月8日、江戸&じゃがたらとしてギグのようです。ギターにEBBY(永井章)、ベースに渡辺正巳が参加してじゃがたらお春と改名、アマチュア・ロックコンテストを荒らしまわり、審査員に毒づいたりと酷かったようです。江戸アケミ(vo)はあばれに暴れたようです。

1980年に財団呆人じゃがたら、財団法人じゃがたらとバンド名を変えてゆきます。パンキッシュで暴力的なライブを次々と行い、時にシマヘビを、時に鶏を食いちぎり、全裸で放尿し、それを飲み、まだ脱糞し、椅子を振り回し、客を追いかけ回したりと、江戸アケミの自虐的なステージは暴力に満ち、ヒューマニティの否定にあったようで、時に出血多量で救急車で運び出されることもあったと言います。

81年、4月に初シングル「LAST TANGO IN JUKU/ロックを葬り去る歌ヘイ・セイ」を発表。この時に、江戸アケミの過激なパフォーマンスがマスコミなどで話題となり、そのゲテモノ見たさの客ばかりとなり、江戸アケミは、それに嫌気がさし、音楽で勝負することを決意します。

ロバート・ジョンソン 九(終わり)

2013年8月9日 Posted by seki

「Traveling Riverside Blues」

「If your man get personal want you to have your fun」とボトルネック奏法が冴えるギター演奏で歌われるこの歌は、こちらもブルースの巨人、サンハウスへとつながる系譜のデルタ・ブルースの代表曲と言ってもいい一曲です。

「Honeymoon Blues」

「Betty Mae,Betty Mae you shall be my wife someday」と歌い出されるこの一曲は、気持ちよさそうに歌うロバート・ジョンソンの歌声が何とも言えない味わいを醸し出していて、おもしろいコード進行を見せます。惚れた女性に結婚を申し出る男の率直な言い回しをブルースにして歌って見せた秀曲です。
「Love In Vain」

「And I followed her to the station」と気怠く歌うロバート・ジョンソンの哀愁のようなものが歌声に漂い、何度となくリフレインされる「All my love’s in vain」というフレーズにロバート・ジョンソンの人生が見えるような一曲です。この曲にはテイク2もあり、どちらも哀愁に満ちた作品です。
「Milkcows Calf Blues」

「Tell me,milk cow what on Earth is wrong with you ?」とボトルネック奏法が冴え渡るギターに載せて力強くも楽しそうに歌われるロバート・ジョンソンの歌声は、何か聞くものを煙に巻いているかのようにも聞こえ、しかし、ロバート・ジョンソンの歌声に備わっている哀愁のようなものはどうしても露わになる一曲です。テイク2もあり、この「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」の最後を飾るのに名残惜しい一曲となっています。

以上、ロバート・ジョンソンの全レコーディング録音の二枚組アルバム「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」を聴いてきましたが、ロバート・ジョンソンの曲は、深夜独りで酒でも飲みながらじっくりと聴くと、どうしようもなく、心に染み入る名曲ぞろいです。デルタ・ブルースに興味がある方は、是非、ロバート・ジョンソンの作品を聴いてみてください。しかし、派手なロック好きにはまったくつまらない作品かもしれませんので、その点はご了承ください。

次回からJAGATRAを取り上げます。

ロバート・ジョンソン 八

2013年8月7日 Posted by seki

「Drunken Hearted Man」

「I’m a drunken hearted man my life seem so misery」

と飄々と歌い出すロバート・ジョンソンの歌声は、哀しみを知り尽くした風格さえ漂う佳作となっています。ウォーキングベースが独特で、何とも言えないさみしい感じを漂わせた一曲となっています。

また、テイク2では、キーが変わったものが収められていて、人生の艱難辛苦を嘗め尽くしたロバート・ジョンソンにしか歌えない作品です。

「Me and The Devil Blues」

「Early this mornin’ when you knocked upon my door」

と「悪魔と並んで歩いた」とふてぶてしく歌うロバート・ジョンソンの歌声は、シンプルなウォーキングベースのギター演奏と相まって、デルタ・ブルースのルーツを聴くような味わいがある歌を披露しています。

テイク2もあり、聴き比べるも乙なものです。

「Stop Breakin’ Down Blues」

「Everytime I’m walkin’ down the streets」とどちらかというとアップテンポに歌うロバート・ジョンソンは、女性にもてたようで、そのさまを「かっとなるのはやめてくれ」と懇願するように歌っています。

テイク2は、テイク1と変わりないように聞こえますが、テイク2ではどこか緊張しているような歌言ぶりが聴き取れます。とはいえ、独特のウォーキングベースが出た・ブルースの神髄を聴かせています。

ロバート・ジョンソン 七

2013年8月5日 Posted by seki

「Hellhound On My Trail」

ギターとユニゾンに近い演奏をしながら「地獄の猟犬が付き纏う」と不吉な内容の歌詞を謳うロバート・ジョンソンは、何か預言者風なおもむきがあり、その不吉な内容の歌詞をどこ吹く風と言ったふてぶてしく歌い、更にこの歌の不気味さを際立出せています。

「Little Queen Of Spades」

「Now,she is a little queen of spades and the men will not let hjer be」と歌い出すロバート・ジョンソンの歌声は、どこかこの「魔性の女」の「queen of spades」らどうしても魅かれてしまう男の悲哀を謳っています。テイク2がなんだか生々しく感じられ、ロバート・ジョンソンの人生の一端を見るような歌です。

「Malted Milk」

「I keep drinkin’ malted milk tryin’ to drive my blues away」と何とも意味深に歌いだされるこの曲は、時に初とするようなフレーズをギターが奏でられ、それが、アクセントになってデルタ・ブルースの味わいをどっぷりと醸し出しています。ロバート・ジョンソンの歌には、何か人を超えた神かがり的なものが感じられ、どの曲も強烈なロバート・ジョンソン節が炸裂します。

ロバート・ジョンソン 六

2013年8月2日 Posted by seki

「If I Had Possession Over Judgment Day」

この曲はロバート・ジョンソンのボトルネック奏法が冴え渡る一曲です。歌詞の内容は、深刻なのですが、それを笑いのめすかのように軽快なボトルネックの響きが、ロバート・ジョンソンを囃し立てているようです。軽快な悲哀が印象的な一曲です。

「Stone In My Passway」

哀感が漂うロバート・ジョンソンの歌声にボトルネック奏法のサビが効いた物悲しい一曲です。「I got stones in my passway and my road seem dark as night」と歌い出すこの哀愁漂う一曲は、ロバート・ジョンソンが人知れぬ深い悲しみを持っていたことが解かる秀逸な作品です。

「I’m A Staed REolly Man」

「{I’m a stead rollin’ man I roll both night and day」と歌いだされる、これまた、ロバート・ジョンソンの深い心の傷が表白された一曲です。ウォーキングベースもどこか物悲しく、深刻な歌詞を飄々と歌うロバート・ジョンソンの歌声はかえって悲しもみを誘います。

「From Four Till late」

ウォーキングベースと同時に旋律を奏でるギターの音色が哀しみを誘う哀感が漂う一曲です。「From four until late I was wringin’ my hands and cryin’」と歌うロバート・ジョンソンの歌声は、やり場のない悲しみを飄々と歌うことで苗更その悲しみが印象に残る作品です。

ロバート・ジョンソン 五

2013年7月31日 Posted by seki

「Cross Road Blues」

この曲は、エリック・クラプトンなどがカバーしている名曲中の名曲です。この曲で、ロバート・ジョンソンのボトルネック奏法は全開です。「I went to the crossroad fell down on my knees」と歌うロバート・ジョンソンの歌声の呪術的な聞くものを掴んで離さない魅力があふれる名曲です。この曲には、荒々しいテイク1と、ゆったりとしたテイク2があり、どちらも聞きごたえ十分です。

「Walking Blues」

この曲もロバート・ジョンソンのボトルネック奏法が味わい深い名曲です。後にサンハウスなど、多くのブルースマンがカバーしている一曲です。「I woke up this mornin’ fellin’ round for my shoes」と歌い始めるその歌声に一発で魅了されてしまう名曲です。

「Last Fair Deal Gone Down」

この曲もロバート・ジョンソンのボトルネック奏法と、ストローク奏法が生き生きとした一曲です。「It’s the last fair deal goin’ down」と歌うロバート・ジョンソンの歌声は、水を得た魚のように表情豊かに聴く者の心を捕えて離しません。

「Preaching Blues(Up Jump The Devil)」

スピード感あふれるボトルネック奏法が何とも言えない妙味を醸し出している一曲です。この一曲は、ロバート・ジョンソンのギターが独壇場で、このギターの演奏を超えるギター奏者は今もって嗤われていないように思います。それだけ、ギターを弾きまくるロバート・ジョンソンは、その陰惨な歌詞を笑い飛ばすように歌い上げています。

ロバート・ジョンソン 四

2013年7月29日 Posted by seki

「Phonograph Blues」

相変わらずのウォーキングベースが冴えた一曲です。ロバート・ジョンソンの甲高い声から始まる一曲です。テイク1は、少し落ち着いた一曲として収められていますが、テイク2は、ロバート・ジョンソンが荒々しく歌っていて、情熱的です。ストローが冴え渡り、「phonograph」と歌うその様は、最早、ロバート・ジョンソンの独壇場です。

「32-20 Blues」

カッティングしたようなウォーキングベースが格好いい一曲です。曲が進むうちに、ロバート・ジョンソンは、我慢できずに、曲にアドリブ的な要素が加えつつ、とても情緒的な味わい深い一曲となっています。

「They’re Red Hot」

ストロークが何とも言えない味わいを醸し出す一曲です。ロバート・ジョンソンの歌声は、わざとしわがれた声っぽく歌っていて、ユーモアを醸し出しています。時折顔を出す、ロバート・ジョンソンの地声を織り混ぜるなど、やりたい放題の面白い一曲です、其処に魅力がある楽しい一曲です。

「Dead Shrimp Blues」

相変わらずの安定したウォーキングベースで、「I woke up this mornin’-nnn」と歌いだされ、何の飾りもないブルースに徹した一曲と言えます。ウォーキングベースにコードのカッティングなど、フィンガーピッキングの良さが前面に出た味わいのある一曲に仕上がっています。デルタ・ブルース・ブルースは、この一曲が一つの典型です。そして、もう一つが、ボトルネック奏法ですが、それは、次回に譲ります。

ロバート・ジョンソン 三

2013年7月28日 Posted by seki

「When You Got A Good Friend」

これもウォーキングベースが冴え渡る一曲です。ロバート・ジョンソンの歌声も「When You Got A Good Friend」と高音で歌い出し、チョーキングしてのコードを奏でるところなど何とも印象的です。これぞ、「デルタ・ブルースの基本」ともいえる一曲です。この曲には、「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」には別テイクも収録されています。

「Come On In My Kitchen」

ギターと歌合がユニゾンのように歌われ、また、ボトルネック奏法もロバート・ジョンソンならではもの悲しい味わいの秀逸な一曲です。こんな風にギターと語るように歌が歌えたならば、と思わせる程にギターと歌声がぴったりと合ったナンバーです。これも「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」には別テイクが収録されていて、別テイクは、ボトルネック奏法が荒々しく弾かれていて荒削りな一曲です。しかし、別テイクの方がロバート・ジョンソンの素が見えるようで侮れないテイクです。

「Terraplane Blues」

この曲は、ストロークがさえまくる一曲です。そこにボトルネック奏法の音色が印象的に響き、唸るように歌われるロバート・ジョンソンの歌声がノリノリな一曲です。こなれたギター演奏は、言うまでもなく、気持ちよさそうに歌うロバート・ジョンソンの魅力に圧倒される一曲です。

ロバート・ジョンソン 二

2013年7月24日 Posted by seki

・「I Believe I’ll Dust My Broom」

この曲は、ロバート・ジョンソンのギターが冴え渡る一曲です。ブルース・ギターの基本が既にこの曲で完成しています。ギターにのせて、気持ちよさそうに歌うロバート・ジョンソンの歌声が格好いい一曲です。しかし、ロバート・ジョンソンは、真夜中に聞くと火心に染み入ります。

「Sweet Home Chicago」

この一曲もまた秀逸です。ウォーキングベースと呼ばれるブルース・ギター特有のフィンガーピッキング奏法が、素晴らしくし、シカゴへの思いが歌いあげられています。ロバート・ジョンソンの歌声は、相変わらず、甲高くも哀愁がある独特の渋みが効いた歌合を披露しています。これまた、格好いい一曲です。

「Rambling On My Mind」

さりげない、ボトルネック奏法が光る一曲です。ウォーキングベースを弾きながらのボトルネック奏法は、意外と難し問いものなのですが、ロバート・ジョンソンは、こともなげに簡単にギターを弾きこなしています。歌合は、このあたりから一段とのってきたのか、素晴らしいものです。この曲には、別テイクが「THE COMPLETE RECORDRINGS/ROBERT JOHNSON」には収録されています。個人的には、ハチャメチャぶりが垣間見える2テイク目の方が荒っぽくて好きです。

佐村河内守 交響曲第一番「HIROSHIMA」 (終わり)

2013年7月17日 Posted by seki

第三楽章は、静謐な調べの後に、弦楽器による荘重な調べとともに再び音圧がせり上がってきます。ある日とはこれをブルックナー的な、と表現していますが、確かに、その雄渾な調べは、怒涛の如く音が逆巻き、新たな始まりを予感させるものです。

トランペットと打楽器のもつれあいは、確かに何かが立ち上がった事を示しますが、然し、やがてそれも崩れ去り、再び静謐な調べに変わります。

しかし、一度この世に出現したものは、最早、その存在を消し去ることができずに、高らかに鳴り響くトランペットとともに「希望」の旋律が鳴り響き、最後へと一気に駆け抜けるように、しかし、その歩調は、どっしりとしたもので、確かにこの大地にたったものが、未来に向けて立ち向かってゆくさまを彷彿とさせます。

この佐村河内守氏の交響曲第一番「HIROSHIMA」は、現代音楽を避けるようにして生まれた作品で、しかし、随処に現代音楽要素が見え隠れしながら、作曲者の心の襞がはっきりと解かるかのようにマーラーの交響曲に匹敵するドラマチックな進行に心打たれ、また、圧倒されるのです。

最後の終わり方は、将に「希望」を感じさせるにふさわしい終わり方です。